第4章豊かな人生へ Vol.2(座談会 2023年7月)

司会 中西 哲男  一弁  57期 参加者  xF(男性弁護士 東弁 49期) G(女性弁護士 東弁 48期) H(女性弁護士 二弁 62期) I(男性弁護士 一弁 57期)

ライフスタイルの違いと
保険の必要性

中西:具体的なイメージに違いはあれども、「健康」「生きがい」「資金」の三拍子が揃ってこそ初めて豊かな人生と呼べる、というのは共通認識のようですね。まずは「健康」に関連して、皆さん保険についてはどのようにお考えですか?

H:健康を維持し、保険など使わずに済むのがベストですが、人間ですのでどんなに気を付けてもリスクはありますよね。ですから万一の時にも健康を取り戻すべく治療に専念できるよう、保険での備えは大切だと思います。特に私は治療が長引き、医療費が高額になりがちなガンへの備えを重視しています。あとは生命保険には結婚を機に掛け捨てタイプのものに加入しました。子どもがまだ小学生ですので、生命保険は当分下げられないと考えています。

I:私は独り身なので今のところ生命保険はいらないかなと考えています。逆に独りでも疾病リスクを乗り切れるよう、医療保険・傷害保険にはしっかり加入しています。

G:私も独身です。若い頃は掛け捨ての生命保険に入っていましたが、I先生と同じように不要かなと考え、内容を大幅に見直しました。本当は年金保険に切り替えたかったのですが持病があり加入できませんでした。もっと若いうちに加入しておけばよかったと後悔しています。

中西:保険はライフスタイルや年齢、時代に応じた見直しが大事ですね。

資金形成は多角的に

中西:老後の資金についてはどうでしょうか?個人的には年金や年金基金に満額払っていても、自分の理想の収入には足りないと考えていて、もう少し入ってくる仕組みを構築しておきたいと考えているのですが、皆さんはどのように対策されていますか?

I:20歳から国民年金は払っています。年金基金にも弁護士になってから入りました。若い頃には収入も多くなかったので小額から掛け、徐々に掛金を増やしてきました。ただ、私も年金や年金基金だけでは老後資金としては不足だと考えています。

インフレ等のリスクもありますしね。他方で、老後の備えの必要もありますが、暮らしていくための出費も賄わなくてはならないので、そのバランスが難しいところです。

F:私は年金、年金基金のほかには積立型の生命保険に入っています。これは保険というよりは貯蓄のイメージで入っているものですね。

H:私はiDeCoやNISAに興味があるのですが、勉強する時間もなく、なかなか始められずにいます。

I:我々の親世代はまだまだ「貯蓄が正義。投資はリスクのあるギャンブル。」という感覚が根強く、私自身もそのように言われて育ってきたため、どうしても投資には二の足を踏んでしまう気持ちがあります。しっかり勉強して臨めば多少はリスクも軽減できるでしょうが、H先生の仰るように勉強する時間も取りにくいですし。他方で、親世代の頃と違い、利息が低すぎて貯蓄ではほとんど増やすことはできないのが現実ですよね。私は最近、重い腰を上げてようやくNISAを始めたところです。

G:私もNISAで少しずつ積み立てを始めています。私たちより上の年代の方は年金や年金基金だけで充分ということもあるようですが、私たちの世代はそれだけでは心もとない。逆に若い世代は投資に長けている方も多いようですが、私たちにはハードルが高い。そのうえで保険も必要。そしてもちろん、貯蓄も必要です。どの手段も一長一短。我々世代は、なにか「だけ」に頼るのではなくマルチに対策し、総合的に備えていくことが必要な難しい世代と言えるかもしれませんね。

F:年金でも保険でも投資でも貯蓄でも、全てに言えるのは、資産形成には「時間」が大きな武器になるということだと思います。この年齢から対策しようとしても、月々の掛け金が大きすぎたり、大きなリターンが形成できなかったりと非常に厳しい。資産形成の手段は人それぞれで、一概に「これが正解」とは言えませんが、ひとつ言えるのは「若いうちから少しずつでも始める」ことが非常に有効だということです。

I:まさに仰る通りですね。若い頃の自分に伝えたいです(笑)。

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座談会「豊かな人生へ」
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