第4章豊かな人生へ Vol.1(座談会 2016年6月)

吉田 健詞郎(左) 東弁 66期/桜井 康統(中央・司会) 二弁  66期/宮本 理史(右) 東弁 67期

弁護士の浮き沈みを逆手にとって、
「浮き」を安心に代える!

桜井:確かに年金基金は良いものだということはわかりました。私もできるだけ早いうちから始めたいと思います。が、やはり月々の支払いが心配になります…。私のような若輩弁護士でも無理なく始められる老後の対策はほかに何かないでしょうか。

秋山:弁護士はやはり何百万入るときがあるので、例えば100万円分、一時払いの個人年金保険に入ってしまう、などという話は聞いたことがあります。

桜井:貯金するよりもそちらの方がいいのですか。

小林:今、貯金の金利が低すぎるということがありますから、貯蓄するよりは利率がいいのではないかと思います。それよりも大きなメリットは、貯金は、何か苦しいときについ解約してしまったりするわけです。でも、保険などというと解約が面倒くさいし、こっそり払い戻しするわけにいかずに、保険会社に「払い戻ししてくださいね」と手続きしなければいけません。わざと面倒なところにお金を置いておくことによって、お金を失いにくくなりますよね。

桜井:これならば、収入が多かったときに余剰分を保険にまわすだけですから、無理なくできそうですよね。

小林:そうですね。ですが、そういった大きい仕事が受任できるかどうかというのは運次第なところもありますし、いざ収入が多かったときに、果たして堅実に保険にまわせるのかという疑問も残ります。お金の使い道はいろいろありますからね。ですからやはり、基本は年金、そして年金基金です。

桜井:おっしゃるとおりですね。肝に銘じます。

弁護士にとって
理想のお金の管理法とは?

桜井:弁護士は収入が安定しませんが、お金の管理は一体どうすればいいのでしょうか。

秋山:まず大事なのは、弁護士としての商売のお金と、自分がご飯を食べていく、女房を食べさせる、家族が食べていくという、いわゆる家計のお金は別なのだということです。だから、最初にうまく分けるということが大事なのではないかと思っています。例えば普通のサラリーマンと同じぐらいと思って、月25万で何とかやりましょうなどと決める。だから、それより多い分は全部別ということができるといいですね。僕ができたということではないですよ(笑)。

桜井:要するにサラリーマン的なお金の扱いを心掛ける、ということですね。

秋山:そうです。仕事用の資金というものは別に扱いなさいということは言いたいです。繰り返しますが、僕ができたということではないです(笑)。

保険のアップデートに
ついていけていますか?

秋山:お金よりも、まず健康の方が大事な財産ということはありますね。

小林:うん。ですから、健康である必要があって、その上で、では病気になったときはどうするかという部分を少しだけ考えます。

桜井:ところで、先生方は例えばがん保険など、入られていますか。

秋山:入っています。

小林:私も入っています。このような保険で大切なことは、定期的に見直すことです。長いこと入っていると、保険はもうアップデートしてしまっていて、全然合わないということがあるのです。例えば一番端的なものは入院給付金。昔は7日以上入院しないとだめでしたが、今は1日でも出ます。なぜなら今の医療機関だと、そんなに何日も置いてくれないからです。つまり7日以上入院の保険を後生大事に抱え込んでいても使いものにならないわけです。

秋山:その時代、その年代に合わせた保険があると思います。例えば若いうちは家族のために高額な生命保険があると安心ですが、子どもが巣立ったらそこまで高額なものは必要なくなりますね。そのように常に見直して、無駄な保険に入り続けないということも大切です。

先輩から一言 advice

いつの間にかベテラン弁護士と呼ばれるようになりました。年金基金等で老後もなんとか過ごせそうです。後輩弁護士に、子に、孫に、ちょっと良い顔をできると嬉しいです。訓戒がましく言えるのは、「時代は移り変わる」ということでしょうか。今や5年でも一昔と言われるほどに世の変化はスピーディです。いったん身につけた経験も古び、常に勉強を続けなくてはなりません。仕事以外の面でも、老後を安心して生きるため見直し、手直し、考え直しが不断に要求されます。老人には生きづらい世の中ですが、恒産を築いてうまくリタイアに繋げていきたいものです。

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座談会「豊かな人生へ」
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