本書は5年前に出版した「事件類型別 弁護士実務ハンドブック」の改訂版です。
近年は弁護士の増加に伴い、即独、のき弁などの形態を選択する弁護士が増えてきています。ボス弁、兄弁を持たないこのような弁護士が頼れる「バイブル的な書籍」として、本書は誕生しました。
本書ではあえて特定の事件に特化せずに幅広い事件を盛り込んでおり、さまざまな事件の基礎を学ぶことができます。先輩を持たない弁護士が未経験の事件を受任したとき、まず何をすればいいのか、どんな資料を用意すればいいのか、どのような流れで進めていけばいいのかなど、疑問や不安がたくさんあると思います。そんなとき、該当の事件ページを読むことで、その案件を扱う上での基礎が理解できるようになっています。さらにその事件を深く掘り下げたいときには、参考として専門書の書籍名を記載していますので、各事件の専門書を探す際の参考にもしていただけると思います。
今回の改訂版では、主に家事事件手続法への対応を行いました。平成25年に施行された家事事件手続法を受け、家事事件への対応も変わり、取り扱い件数も増えています。これらを踏まえ、改訂前には「家事・相続」というひとつの章でまとめていた家事事件を、「離婚」「相続」「成年後見」の3つの章に分け、より詳細に家事事件を理解できるように改訂を加えました。もちろんそれ以外の章もすべて見直しを行い、現在の情報・状況にマッチするよう、改訂を行っています。編集・執筆メンバーをほとんど変えずに何度も会議を重ね、前書の使いやすさはそのままに残した最新版ですので、前書をお持ちでない方はもちろん、お持ちいただいている方も、ぜひ改訂版にバージョンアップしていただければと思います。
先に述べたとおり、もともと新人弁護士のためのバイブル本として企画された本書ですが、実は中堅、ベテランの弁護士にも広くご愛用いただいています。専門外の事件を取り扱う際に、基礎を改めて見直す際に、さらには新人弁護士教育の場でもご活用いただけると思います。
若手からベテランまで、すべての弁護士に役立つ本書をぜひ一冊お求めいただき、便利な辞書としてご活用いただければ幸いです。