練馬ぶらり〜穴場の散策
柴 晃一(一弁 39期)
20代,30代の若い頃は,休日になると,ゴロゴロとグータラな時間を過ごしていたように思いますが,いつの頃からか(おそらく50歳を過ぎた頃からだろうと思います。),お気に入りの本を何冊か抱え,地元練馬をぶらぶらと散策したり,秩父や飯能辺りの日帰り温泉にうきうきと出かけることが楽しみになりました。今回は,静謐な時間を過ごせるような練馬の穴場をご紹介したいと思います。
練馬というと,まず,石神井公園が思い浮かびます。石神井池と三宝寺池を擁する石神井公園は,由緒ある歴史と伝統(豊島氏の興亡,照姫の悲話など)を持った,とても広大ですばらしい公園で,誰もが認める練馬区民の憩いの場ですが,「穴場」とは言いがたいので,今回はご紹介の対象から外しました。
1 東高野山長命寺
西武池袋線の「練馬高野台駅」から西北方向へ歩いて5分ほどの場所にある真言宗の古刹です。境内には,南大門,仁王像,鐘楼,13仏像,本堂,観音堂,御影堂などが整然と配されています。
まず,南大門の四天王(広目天,増長天,多聞天,持国天)が参拝者を迎えてくれます。四天王というと,一般には怖いイメージがありますが,長命寺の四天王は,なかなか愛嬌があり,かわいらしい風貌の立像です。
南大門を入ると,右側には,13仏が並んでいます(写真@参照。練馬区よりご提供いただきました。)。住職(沙門亮弘)の記した石碑によれば,「13仏は,室町時代の庶民信仰と深い因縁があり,初7日から33回忌までそれぞれ各諸仏・諸菩薩が配され,または生まれ年によって各人の本尊に当てられているなど徳性の優れた仏様である。」とのことです。
さらに,境内を進むと,左手に,変体仮名で,「東加うや山 於久能いん 入口」(東高野山 奥の院 入口)と書かれた道標が目に入ります。道標に従って,真っ直ぐに進んで右に折れると,参道の先に御影堂の静かなたたずまいが目に入ってきます。この場所から見る御影堂の姿は,まるで,絵はがきのように綺麗です。とりわけ,秋の紅葉は,本当に見事です(写真Aは御影堂から見た参道の紅葉です。)。
境内は,縁日などには子供や家族連れで賑わうこともありますが,平常は,とても静かで,読書をしたり,ぼーっとするにはもってこいの場所です。
写真@ 練馬区よりご提供いただきました
写真A 御影堂から見た参道の紅葉