権利保護保険新商品 弁護のちから 弁護士向け解説書〜弁護士業務に活用するための保険概要〜

Q&A

Q1 「弁護のちから」は、従来の交通事故被害事件のLAC案件とどこが違うのか、留意すべき点を示してください。

現行LAC 弁護のちから
契約形態 法人契約もあるが、主として個人契約 企業等を契約者とする団体契約で、団体の構成員が加入
初期相談 なし なし
対象範囲 「偶発事故」(交通事故等の損害賠償請求に係るもの) 「被害事故」「借地・借家」「遺産分割調停」「離婚調停」「人格権侵害」に係るトラブル
※オプションとして「労働」に関するトラブルも補償
紹介手続き 被保険者➡
保険会社➡
日弁連LAC➡
各弁護士会LACで名簿等から配点
現行LACと同じ
弁護士費用
(対象)
法律相談料、弁護士費用等(着手金・報酬金・実費・日当・時間制報酬等) 法律相談費用 自己負担額:1,000円
弁護士委任費用 自己負担割合:10%
弁護士費用
(訴訟手続)
原則、保険会社への直接請求 依頼者からの立替払いのケースと直接払いのケースがある
弁護士費用
(準拠)
原則、LAC「保険金支払基準」等各基準 損保ジャパン日本興亜の“弁護士費用の保険金支払基準(内規)”の範囲内
※内規は担当弁護士に開示可能
書式 原則、LAC制度による統一書式 損保ジャパン日本興亜独自の書式を使用

※「弁護のちから」は、自動車事故は補償対象外になります。

※被保険者(従業員個人)と団体契約者(企業)との利害相反関係を考慮し、労働に関するトラブルはオプション補償としています。

Q2事件によっては交渉受任だけでは弁護士委任費用保険金が支給されないようだが、どういう場合か。

離婚・遺産分割の場合、調停等(日本国内における調停、審判、抗告および訴訟をいいます)が必須となります。
被害事故に関する紛争や人格権侵害に関する紛争の場合は、公的機関への相談や被害届が必須となり、盗取(詐取、恐喝等を含む)は、警察への届出が必要です。

Q3@弁護士会のLAC名簿に載っていない弁護士でも、「弁護のちから」の事件を受任して良いのか。
A弁護士が受任する場合の資格や条件はあるのか。

@保険金請求権者(被保険者)自身が選定した弁護士であれば、LAC 名簿への掲載有無は問いません。

A受任する場合に求められる資格や条件は特にありませんが、強いて言えば、受任する紛争に強い弁護士の方が望ましいと考えています。

Q4@保険の適用があるかないか分からない段階で受任しても問題はないのか。
A受任後に保険の適用がないということになった場合、どうすれば良いか。

@問題ありません。

A法律相談料や弁護士費用などは、委任者にご請求ください(全額、委任者の自己負担となります)。

上記のような事態を未然に防止するためにも、受任前に委任者から受任内容をよく把握した上で、損保会社に連絡 されることをお勧めします。
※委任者が損保会社に連絡していないのであれば、委任者に対して、まずは損保会社に連絡するよう依頼してください。

Q5法律相談の結果、保険の対象となるトラブルではあるが相手方への損害賠償は困難と判断された場合、法律相談料相当額の保険金は出るのか。

損害賠償請求が困難と判断されたとしても、それまでに至る法律相談料は保険約款の規定に従い、支払われます。

Q6「弁護のちから」が適用される事件を受任することになった時、所属弁護士会に連絡する必要はあるのか。

所属弁護士会への報告要否については、弁護士会毎の判断となります。

Q7「弁護のちから」が適用される事件を受任することになったとき、弁護士は損保会社にどのような手続を取るのか。

依頼者(保険金請求権者)に対して、最初に損保会社へ連絡するように伝えてください。 損保会社から依頼者に対して、保険金請求書類が送付されてきます。
保険金請求書類には、今後の保険金請求手続の流れや、受任弁護士向けの案内文書が含まれています。
それらの書類の内容を確認し、不明点等があれば、依頼者経由もしくは直接損保会社の担当者に連絡してください。

Q8弁護士が損保会社に連絡することに守秘義務上の問題はないのか。

依頼者(保険金請求権者)は「弁護のちから」の保険金を請求するにあたり、損保会社が受任弁護士に相談もしくは委任した事案の内容について確認することに同意するため、守秘義務上の問題は生じません。

Q9@弁護士の事件処理に、損保会社から制約が加えられることはないのか。
A弁護士に事件に関する資料や書類の提出等の義務はないのか。

@保険会社が、受任弁護士の個々の事件処理およびその判断を制約することはありません。
なお、損保会社は、保険金請求権者からの法的な判断を要する質問には、回答しません。

A弁護士に、事件に関する資料や書類について、損保会社への提出義務はありません。
ただし、保険金請求者が保険金を受け取るためには、「保険金請求書」の他に

●「法律相談費用および弁護士委任費用それぞれの発生日時、所要時間や金額が客観的に確認できる資料」
●保険金請求書に記載いただいた内容で不明な場合には、「法律相談(委任)の原因となった事故(事由)の内容が客観的に確認できる資料(弁護士が作成した書類や資料の写し等を含む)」

を損保会社に提出することが、保険金請求の要件となっています。
要件が満たされないと保険金が支払われない場合がありますので、受任された弁護士もご協力をお願いします。

Q10損保会社との関係で利益相反の問題は生じないのか。

約款第4条9項で保険契約または共済契約に関する紛争については、保険金を支払わない(除く相続財産としての保険契約または共済契約の遺産分割調停に関する紛争)としております。 よって、損保会社が直接の紛争当事者となることはなく、利益相反は生じません。
なお、「弁護のちから」は、6つの法的トラブルについて、法律相談および委任を行った場合の費用を補償する保険です。 他の保険商品と分野調整が図られているので、他の保険金支払いに影響することはありません。

Q11@弁護士報酬の定め方に制約はないのか。
A弁護士報酬は損保会社に請求するのか。
B保険金が出ないことはないのか。

@弁護士報酬の定め方に制約はありません。
着手金・報酬金方式でも時間制報酬(タイムチャージ)方式でも定めることができます。
もっとも、保険金で支払われる弁護士報酬は、契約上、委任者の自己負担が設定されていることや、約款第2条2項「事前に当会社の同意を得た弁護士委任費用」が限度額となることから、請求した弁護士報酬全額が保険金として支払われるわけではありません。
〈ご参考:普通約款第2条 抜粋〉 「事前に当会社の同意を得た法律相談費用(1項)又は弁護士委任費用(2項)を負担することにより被った損害に対して、特約および普通保険約款の規定に従い、保険金を支払う。」

A弁護士報酬は、本来保険金請求者へ請求いただくことになります。
保険金支払いフローは、保険金請求者が、受任弁護士へ弁護士報酬を支払い、その弁護士報酬に対応した保険金を損保会社が保険金請求者へ支払うこととなっています。
ただし、保険金支払いの実務便宜上、保険金請求権者からの指図により、保険金(保険金請求権者の自己負担部分を除きます)を直接受任弁護士へ支払うことも可能です(この場合、保険金請求権者の自己負担部分は保険金請求権者からお受け取りください)。

B保険金が支払われないことはあります。
約款上、保険金を支払わない(第3条、第4条)場合に該当した場合、および保険会社の事前の同意を超える弁護士報酬額は、支払われません。

Q12 @弁護士報酬に対する保険金支出の基準はどうなっているのか。
それは、いわゆるLAC案件と同じ基準か。
A保険金が支払われる場合、源泉徴収はされるのか。
B弁護士報酬・保険金について不満があったらどうなるのか。

@損保会社からLACに弁護士の紹介依頼がされる事案については、報酬基準は損保会社が独自に定めた内規によることになります。 この内規は、従来のLAC基準と多少の違いはありますが、基本的にLAC基準をベースとした内容となっています。
LACを経由しない事案についても、「保険金請求書」裏面のA弁護士記入欄に「請求金額および請求内容に虚偽はなく、日本弁護士連合会の定める『弁護士の報酬の規定』にもとづき、一般的な弁護士費用と比べて適正・妥当と考えられる水準を超えた法律相談費用や弁護士委任費用の請求ではないことを確認します。」と注意喚起文言を表示し、適切な請求を促しております。

A損保会社より受任弁護士の銀行口座へ保険金を支払う場合は、源泉徴収が行われます(弁護士法人へ支払う場合を除く)。
損保会社より保険金請求権者へ直接支払う場合は、源泉徴収は行われません。

B担当した事件に対する弁護士報酬の額について、保険会社が同意する水準の弁護士報酬の額と乖離があり不満に思う場合には、まず、請求する弁護士報酬が適正・妥当と判断できる根拠を示して、損保会社および保険金請求権者に加え、適宜日弁連も含めた話し合いによる解決を心がけてください。

Q13 弁護士費用の依頼者自己負担分はどういうことになるのか。
たとえば、報酬金30 万円のうち、27 万円を保険金で支払って貰ったとき、
自己負担の3 万円はオマケするということはいけないのか。

保険金請求権者が『負担する(負担すべき)弁護士費用』が、お支払いの対象になります。
上記の例では、実際に請求した弁護士委任費用の額は27万円ですので、支払われる保険金は、24.3万円(自己負担額2.7万円)となります。
後日、自己負担分を負けられたことが判明した場合には、まけられた分に相当する保険金をお返しいただく必要がございますので、ご留意ください。

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