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Vol.13

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事務所のPCのリモート操作

田中 伸一郎(二弁 37期)

 スリランカのホテルで、この原稿を書いています。この国に来たのはおよそ20年ぶりくらいですが、内戦が終わったこともあり、近年は著しい発展が続いており、空港、道路、ホテルなどの状況は前回来た時とは様変わりの状況です。その中で特に目立つのは、中国に進出のようです。
 スリランカへ出張は依頼者の取引への立会いのためで移動を含めて合計6日間ですが、この期間に裁判所に提出しなくてはならない準備書面の最終チェック、依頼者からの問合せへの回答など、どうしても出張先でしなければならない仕事を、携帯用PCと一緒に、抱えてやってきました。こんなことは、段取りの悪い私ほどでなくとも、多くの弁護士が経験していることと思います。


 現在外国のホテルでもインターネットの環境は整っており、メールのやり取りはおよそ問題ありませんが、問題は準備書面を書くためなどに必要な資料です。かばんの中などにファイルを入れてくるのは特に訴訟事件等では証拠資料が大量となりますと無理ですし、携帯型PCその他記憶媒体に記憶して持ち歩くのも、いつも当該携帯型PCで仕事をしていれば別ですが、出張になって急にデータを集めてもいざ仕事というときに足りないものが出てきます。
 私ども事務所では、このような状況への対応として、現在NTTが提供する「magic Connect」という仕組みで、事務所で普段使っているPCに出張先等からリモートアクセスするようにしています。出張先あるいは自宅等のPCからインターネット介して、事務所で普段使っているPCを操作するので、出張先等でも、普段と同じ画面で、普段アクセスできる情報にまったく同じようにアクセスして仕事ができるようにしています。この事務所のPCをリモートで操作する方法は、上述のような問題を解決するだけでなく、事務所内の情報を外部に持ち出さないため、秘密管理にも非常にメリットがあります。

 ファイル等の紙情報や、情報が記憶された携帯型PC 、USB等の記憶媒体を外に持ち出せば、紛失し、記載ないし記憶された情報が漏えいする恐れがありますが、認証情報、操作情報が盗まれないような構成になっていれば、そのような恐れはないわけです。「magic Connect」においては、特別のUSB(認証情報のみ記憶されています。)に加えて、ID及びパスワードで認証し、事務所のPCへの捜査情報の転送は暗号化して送信されます。更に、手元の操作PCには情報等をダウンロードできない設定にもできます。
 このようなPCのリモート操作はインターネットの環境の影響を受けますが、この「magic Connect」はこの点相当に優れており、このホテルのインターネットのスピードは相当に遅く、ウェブを開くにもストレスを感じることがありますが、かなりの量の準備書面のチェックも問題なくできましたし、この原稿も何とか完成しそうです。
 この事務所のPCのリモート操作1の更なるメリットは、サーバーへのアクセスする方式等に比較し、データベースを新たに構築する等の必要がなく、簡単であまり費用も掛からないことです。また、私ども事務所が使用している「magic Connect」の方式では、USBだけ持っていれば、操作するPCはどれでもいいわけですので、出張場所等に使用できるPCがあれば、携帯用PCさえ持っていく必要もありません。
 出張が多い方、あるいは自宅で仕事をすることの多い方は、このリモート方式を検討することも良いかと思います。