close

Vol.12

BACKNUMBER >>

居酒屋の店内に本物の土俵がある風景

塚田 成四郎(33期 一弁)

 ナニコレ珍百景という番組がある。馬鹿馬鹿しいと思いながらも、見始めると何となくそのまま見続けてしまう。  
 ところで、小生は東京簡易裁判所の民事調停委員を務めているが、東京簡易裁判所の調停が錦糸町の墨田庁舎に移転してから国技館に相撲を見に行くようになった。錦糸町の手前の両国駅から国技館が目の前に見えるので、何時の間にか切符を買いに行くようになった。場所の1ヶ月位前に直接、国技館の切符売り場で2階席の一番前を買うことにしている。2階席は升席と違って椅子席で楽だし、一番前は物を置けるので便利だし、前の観客の頭も気にならないのが良い。東京での大相撲では家内と二人で1場所に1回相撲観戦をしている。  
 相撲が終わり、打ち出し太鼓を聞きながら、両国駅に向かうと、駅の手前に「花の舞・両国店」がある。場所柄、相撲に関係する内装であるが、何と言っても驚かされるのは店内に本物の土俵がでーんと置かれていることである。

 土俵の周りには、「升席」と思しき客席が用意され、そこで、ちゃんこ鍋で一杯やるという趣向である。酔いが回ってきたところで、相撲甚句の一団が土俵に上がって、甚句を歌い、客はそれに合わせて、「どすこい、どすこい」と掛け声を出す。もう、相撲気分満開である。割り箸に千円札を挟んで甚句の人に渡すと番付表を1枚貰える。甚句の人はその千円札を挟んだ割り箸を角帯に差している。ベリーダンスのダンサーが貰ったチップをブラジャーに挟んでいたのを思い出した。


 五月場所では女性芸人による「かっぽれ」もあった。良く見ると、甚句の一団の女性も「かっぽれ」の女性芸人も土俵に上がっていない。土俵の近くには、「相撲協会のご指導により女性は土俵に上がるのをご遠慮ください。」と注意書きがある。本当かなと思うが、これもこの土俵が本物だという演出効果がある。


 冒頭に、ナニコレ珍百景のことを書いたが、この「居酒屋の店内に本物の土俵がある風景」も何やら珍百景だと思う次第である。
 一度行ってみる価値は十分にあると思う。