close

Vol.11

BACKNUMBER >>

災害時に役立つちょっと耳よりな話
〜霞ヶ関周辺〜

渕上 玲子(35期 東弁)

弁護士会館は震度いくつまで
耐えるといわれているかご存じですか?

 震度7まで大丈夫だというのがどうも公式見解のようです。飛行機がつっこんでも大丈夫だと言う人もいましたが、それは少し眉唾ものです。それにしても震度7に耐えられるというのは結構すごいことです。公式の最大震度は7であり、それ以上の震度は定義されていません。実際にも日本では過去3例しかないとのことです。
 だからといって、弁護士会館にいればすべて大丈夫というわけではありません。倒壊しないというだけで、相当なダメージを建物は受けると思いますし、当然のことながらエレベーターはストップしますので、高層階からの移動は階段で徒歩になります。17階から行き来するのも大変です。またビルという特性から、水道や電気が使えない場合には、トイレも使えません。マンションにお住まいのみなさんも全く同じで、水道や電気がストップしたら水洗トイレを使ってはいけませんのでご注意ください。復旧後、管が詰まったり、破損していたりして、汚水があふれ出すなどということが起きかねません。
 ただ弁護士会館はさすがに霞ヶ関です。首都機能が麻痺しないように電気はあらゆるルートから霞ヶ関に回るように工夫されているという話を聞きます。電気がない生活は経験しないと分かりません。3.11に仕事で秋田市にいた私は秋田県全体が停電となり、真っ暗の中、ホテルで一夜を過ごしました。翌日はひたすら日本海側を南下して灯りをみた時はほっとしたものです。

弁護士会館は防災用品を
備蓄していると思いますか?

 東日本大震災を契機として、日弁連や東京三会も備蓄を見直しはじめました。それまでは常勤職員に対する分しかなく、水・カンパン・毛布等の備蓄品は十分とは言えないものでした。
 常勤職員の分だけではなく、出入りする弁護士や一般来館者の数もある程度想定しなければならず、今回必要な量は揃えたようですが、そのための保管場所は相当な面積が必要になります。各会の理事者は場所確保に苦労したと聞いています。

 また、東日本大震災の時には、周辺から日比谷公園にたくさんの人が集まったそうです。日比谷公園は災害時の大規模救出・救助活動拠点とされているとのことで、いざという時にテントを張って救護室などに使える防災バーゴラ、ベンチの下がかまど状になっている防災かまどベンチなどいくつもの防災設備があります。通った時に発見してみてください。


 大規模救出・救助活動拠点ということは、避難場所とは違うということで、警察や自衛隊などの活動拠点なので一般市民は利用できないという話があります。霞ヶ関近辺では自分のオフィスにて、帰宅できるのをじっと待つというのが想定されているようです。それでも何も備蓄していない人まで救助してくれないとは思えないので、とりあえず行ってみるというのはありでしょう。
 そもそも東京都は、発災後1週間は自分でどうにかしてほしいと言っています。事業主である弁護士は、従業員に対する責務としてもある程度の備蓄を考えておく必要があります。最低でも3日分はお願いしたいところです。

弁護士は災害の時でも
役に立つのでしょうか。

 これだけは確かです。間違いなく役に立ちます。東京三会の災害復旧復興本部は東日本大震災の被災者支援のために様々な活動をしました。その活動は東京三会の報告集に出ています。大震災は自然がもたらす生存権に対する究極の侵害です。被災者が必要とする情報を発信し、法律問題に対する不安を取り除くということは初期段階からとても大事なことです。
 ただそのためにはまず自分と家族、事務所の仲間がまずは無事でいることです。自宅の耐震化は大丈夫か、事務所が倒壊したり、重い書棚が倒れてこないか、よくよく考えてサバイバル策を考えてみてください。
 弁護士が無事かどうかの確認をするというのが、弁護士会の役目となっています。弁護士の安否が確認できないと依頼者や裁判所や警察、検察、法テラスなどの関係機関からの照会はまずは弁護士会に来ます。
 ところが東京のような多人数の弁護士がいるところの安否確認は結構大変です。東京弁護士会では安否確認のための特別なホームページを立ち上げました。そこで簡単に安否確認ができるようにしています。ただこれを会員が知らなければ意味がありません。その周知に苦労しているところです。安否確認方法が記載されたサバイバルカードを作って、配付を続けています。